薔薇のマリア 【11】 灰被りのルーシー   等身大のダメさが、とても魅力的

薔薇のマリア  11.灰被りのルーシー (角川スニーカー文庫)
視点がマリアローズから新キャラのルーシーに移り、新章に突入した薔薇のマリア11巻。ルーシー視点から見るとマリアローズはすっかりベテランで、非の打ちどころのない完璧超人に見えてしまいます。『薔薇のマリアVer0 僕の蹉跌と再生の日々』を反復しながら進むので、あれからどれほど全てが上手くいっているのかが、マリアがどれほど成長してきたのかがよく分かる。うじうじと悩みながら殻にこもりながらそれでも必死に生きてきたマリアローズが、今こうやってZOOの一員として立派に立っているのが、とても感慨深い。



というか新キャラのルーシーがダメ過ぎるんですよね。マリアからプライドを取り去ったらこうなるのかなぁ……でも、僕はこのダメさのほうが共感できたりしますね(苦笑)多分マリア自身も共感できるでしょう。ルーシーの叫びはずっとマリアも思っていたことだし、今も思っていると思います。その共感がどこへいくのかが、今後の見所ですね。いや、マリアローズはそんなこと思わずにうざい奴だと思っているかもしれないですが。