東方儚月抄 〜Cage in Lunatic Runagate.

東方儚月抄 〜Cage in Lunatic Runagate.
友達から借りて読んでみました東方儚月抄小説版。マンガ版も読んでいないどころか東方というモノ自体、東方厨の友人が「えーりんえーりん!」とか歌ってるのを見たり、動画を勧められてたまに見たりしたくらいで、ほとんど知りません(笑)何故読んだのかって?それはその友人がこの本を買ったからだよ。なんとなく小説なら東方に触れやすいかと思って。。

一読して、文章はあまりうまくないですね。読みにくい。というか地の分の説明文が多すぎで……百歩譲ってまぁそれは良いとしても、会話している内容と説明文とがリンクしていないところが多くてテンポがもの凄く悪い。それをこの作者に求めるのは酷なのかもしれませんが…。それと、第三話「浄土の竜宮城」で一瞬一人称の混乱がありましたけど、あれは誤植ですか?多分そうだろうなとは思いますが……いや、誤植だと気づいてしまえば単純な話ですけど、「私」―「依姫」、「私の妹」―「依姫」え?同名?と混乱してしまった。「私」の名前が全く出てこないのでもしかして何かの伏線か!とも思ったんですけど、後の話で普通に出てましたね。


お話としては、よーは、郷の実力者が最近見るようになった月の民の新入りが調子に乗らないように、ちょっと牽制しようと色々しましたーという話でしょ?その色々の結果はマンガ版で、という。オチとしては面白いですね……こう、他人を誘導して自分を囮にして。その果ての目的が自分の存在を、自分の悪意を相手に知らしめるためだった…というのは。しかし本当に回りくどい!しかしこういう悪キャラは嫌いじゃない!


あとは、月の民の「穢れ」。この話で「穢れていること」=「変化すること」も「穢れていないこと」=「変化しないこと」も肯定してしまったので、ちょっと据わりが悪い気がしないでもない。しかし、どちらも大切なことだと思えば、こうなるのは当然ですか。変わった方が楽しいというのも、変わらない日々が幸せだというのも、どちらも説得力あるものなぁ。どちらかに振り切ってくれた方が面白いではあるのだけど。