されど罪人は竜と踊る 【8】 Nowhere Here   たとえ二周目であっても……

されど罪人は竜と踊る 8 (ガガガ文庫)
基本的に面白かったけれど、うーん……加筆がちょっと、邪魔?ちょこちょこ細部が変更されてて、、言い回しだとか、文章増えてたりだとか、展開違ったりだとかあるんですけど、それがなんだか無い方がスムーズな気がするんですよね。それにやっぱり「二周目の世界」もなぁ……まぁしかし「二周目の世界」で思いついたことがあるので考える楽しさはありましたけど、これはされ竜的にはアウトじゃあないですかね。とってつけた感のある設定ですし、大賢者がアナピヤに接触するシーンも流れに違和感が。まるでアナピヤが白昼夢見てるみたいな?そんな感じですか。


結局アナピヤはあの結末でしたが、され竜の温度はこうですものね。でもアナピヤ個人に救いを用意するかも?と思ったんですが、特に変わらなかったなぁ。「二周目の世界」ってここにテコ入れするためだと思って前巻は興奮してたんですけどね……少し残念です。何度繰り返してもこういう結末になる……何度も何度もアナピヤは死ぬ……そこから脱出することはできないと。そこで頑張って生きるのが、され竜の描くリアルですね……スニーカー文庫版は大方消化したわけですが、今後はどういう話が展開されていくのか、楽しみです。


泣くな。


泣き顔には腹が立って殴りたくなる。殴った手が痛くて余計に腹が立つ。鼻血を出す顔も生意気で腹が立ち、さらに蹴りたくなる。蹴られて転がる姿も無様で腹が立って、殺したくなる。それがこの世界の現実で人間というものだ。


だから苦しく哀しいときほど、優雅に微笑み、くだらぬことを言え。次も、その次も、またその次も。死ぬ瞬間まで。



されど罪人は竜と踊る【8】 126ページ